【2024年度】中小企業省力化投資補助金(省力化・省人化補助金)を徹底解説!

【2024年度】中小企業省力化投資補助金(省力化・省人化補助金)を徹底解説!

中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)とは

中小企業省力化投資補助金_概要

2023年度の閣議決定された補正予算の中で特に注目されている「中小企業省力化投資補助金(省力化・省人化補助金)」について経済産業省や中小企業庁などの資料から抜粋して解説していきます。

省力化・省人化補助金とは、物価高騰と人手不足に悩む中小企業に対して、IoT、ロボット、AI(人工知能)など人手不足解消に効果がある設備投資に対する補助金です。中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的としています。

中小企業省力化投資補助金(省力化・省人化補助金)の最新情報

中小企業省力化投資補助金の最新情報が公開され次第、随時アップデートしていきます。

編集部:追記(2024年3月30日更新)

追記情報:3月29日に中小企業省力化投資補助金の公式サイトにて公募要領が発表されました。

  • 申請フロー
    • (1)カタログから導入製品及び販売店を選択する
    • (2)販売店と連絡を取り、事業計画の作成を行う
    • (3)電子申請システムを通じて販売店と共同で交付申請を行う
    • ※詳細は今後発表される「申請の手引き」を参照

出典:中小企業省力化投資補助金、公募要領

編集部:追記(2024年3月25日更新)

追記情報:3月25日に中小企業省力化投資補助金の公式サイトが開設されました。交付申請フローや製品カテゴリ登録、現時点で承認されているカテゴリ一覧などが公開されました。

  • 現時点で承認されているカテゴリは下記4つ

    • 券売機
    • 自動精算機
    • 自動チェックイン機
    • スチームコンベクションオーブン
    • ※今後、承認カテゴリは随時更新されていく予定

出典:中小企業省力化投資補助金

編集部:追記(2024年3月14日更新)

追記情報:3月5日に中小企業省力化投資補助金(省人化・省力化補助金)の事務局の採択結果が発表されました。

・事務局は、全国中小企業団体中央会を幹事社としたコンソーシアムに決定
・株式会社電通やトランスコスモスも事務局運営に入る

出典:公募審査(採択)結果の公表|中小企業省力化投資補助事業

編集部:追記(2024年1月31日更新)

追記情報:1月26日(金)に省人化・省力化補助金の事務局の公募が始まりました。事務局の公募資料のなかで新たな情報として、下記3点が分かりました。

  • 令和8年度9月末までの2年間半で15回程度の公募回数
  • 公募頻度は約2ヶ月に1回(6回/1年間)を予定している
  • カタログに掲載する省力化支援事業者と機器の選定を行った後、令和6年3月より公募開始予定

中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)の目的・背景

現在でも、中小企業向けの補助金として「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」など多くの支援制度がありますが、人手不足の解消を主目的にした補助金はありませんでした。

これまで政府はIT導入補助金に見られるように「IT導入等による生産性向上・効率化」を推進する取り組みを行ってきました。一方で、最近は岸田首相も「中小企業の業績拡大・従業員の継続的な賃上げには、官民挙げての省人化・省力化投資が進むような支援が必要」といった発言から人手不足問題を直接解決するためにロボットやAIなどの設備導入を推進する補助金制度が設計されたものと推察されます。

編集部コメント

今後、人口減少、少子化及び、改正労働基準法の影響で、2024年4月以降は時間外労働の上限規制も厳しくなるため、人手不足を抜本的に解決する補助金制度である「中小企業省力化投資補助事業」は補助金の1つの目玉となるでしょう。

予算規模

「令和5年度補正予算(第1号)」では「中小企業省力化投資補助事業」に1,000億円の予算が盛り込まれています。さらに、外部有識者を交えた「行政事業レビュー」にて事業再構築補助金の停止・再編が想定されていて、既存基金活用を行った場合に総額5,000億円規模となる見込みです。

編集部コメント

初年度のコロナウィルスによる影響を受けて事業再構築補助金の初年度予算は1兆円でしたが、事業再構築補助金は過去例を見ない大規模予算の補助金でしたが、それに次ぐ非常に大きな予算規模であり、2024年度の注目補助金となっています。

省力化・省人化補助金の補助額・補助率

中小企業省力化投資補助金_概要

補助上限額は従業員規模別に200~1000万円、補助率は1/2に設定されています賃上げ要件を達成した場合に補助上限額を()数値に引き上げとなります。 ※後述で詳しく解説します。

  • 従業員数5人以下:200万円(300万円)
  • 従業員数6~20人:500万円(750万円)
  • 従業員数21人以上:1000万円(1500万円)

中小企業省力化投資補助金の補助対象者

中小企業省力化投資補助金の補助対象者の詳しい要件について解説していきます。

中小企業・個人事業主が対象

中小企業省力化投資補助金は、日本国内で法人登記、事業を営む個人事業主・中小企業が対象となっています。

従業員規模の区分を見て分かる通り、従業員数5名以下の小規模事業者から、従業員数21名以上の中小企業、中堅企業まで幅広く活用できる補助金となっています。比較的従業員が少ない企業から業種によって差はありますが、数百人規模の会社でも使える補助金になります。

中小企業省力化投資補助金_中小企業区分

上記に該当する企業の中で、さらに下記の目標・要件を満たす事業計画を作成する必要があります。この2つの目標に関して詳しく説明していきます。

  • 労働生産性の向上目標
  • 賃上げの目標

労働生産性の向上目標

中小企業省力化投資補助金の申請を行う中小企業等は、補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組む必要があります。

労働生産性の計算式は複雑なため、公募要領をご自身でしっかり確認されたり、申請支援を依頼する場合は補助金コンサルタントに確認しましょう。

 

賃上げの目標

中小企業省力化投資補助金の申請時と比較して、下記の両方を達成する見込みの事業計画を策定した事業者は補助上限額1.5倍(50%)引き上がります。

ただし、補助金申請時に「賃金引き上げ計画を従業員に表明」していることが必要です。結果的に賃上げできた場合などに、事後申請した場合などは補助上限額の引き上げは起きないため、注意が必要です。

  • (a)事業場内最低賃金を45円以上増加させること
  • (b)給与支給総額を6%以上増加させること

中小企業省力化投資補助金の申請枠(カタログ型)

中小企業省力化投資補助金_製品カタログ登録

中小企業省力化投資補助金は、カタログに登録された省力化製品を導入し、販売事業者と共同申請する補助金です。

省力化製品のメーカー・販売代理店がカタログ登録する際のフローとしては下記になります。

まず、第一に、事務局が「製品カテゴリ」を順次登録していきます。この際に、製品カテゴリの登録依頼を出すことが出来ます。「製品カテゴリ」とは清掃ロボット、調理ロボットなどの粒度で、商品ジャンルのようなものとなります。

次に、「製品カテゴリ」に該当する製品を持つメーカーは、その機器が持つ省力化性能の情報をまとめ「機器審査依頼」を提出します。省力化性能が認められた場合は「中小企業省力化投資補助金のカタログに掲載される」ことになります。

省力化製品の製品メーカー・販売代理店の方に向けた中小企業省力化投資補助金のカタログ登録方法を徹底解説してる記事もよく読まれていますので、ぜひご確認ください。

 

中小企業省力化投資補助金の対象経費・カタログ予想

中小企業省力化投資補助金_製品カテゴリ一覧_暫定版

中小企業省力化投資補助金の対象経費は、カタログに掲載された製品の経費、導入にかかる経費となります。

今後、補助対象となることが決定している「製品カテゴリ」と今後追加される可能性が高い「製品カテゴリ予想」を下記に掲載します。以下は、公表されている情報から推測される内容となるため、こちらに記載がある製品・設備導入にかかる経費が必ず補助対象という保証ではありませんので、ご了承ください。

編集部:追記情報(2024年3月25日更新)

追記情報:3月25日に中小企業省力化投資補助金の公式サイトが公開されました。
現時点で承認されているカテゴリ一覧などが公開されました。

  • 現時点で承認されているカテゴリは下記4つ

    • 券売機
    • 自動精算機
    • 自動チェックイン機
    • スチームコンベクションオーブン
    • 今後、承認カテゴリは随時更新されていくと予想されます。

出典:中小企業省力化投資補助金

製造業(産業用ロボット)

(出典:日本ロボット工業会 - 産業用ロボット事例紹介

製造業では、生産工程を自動化するロボットやAIが搭載された搭載機器など、業務効率を向上し、省力化・省人化につながるも製品・設備が対象となると言われています。

  • 産業用ロボット

産業用ロボットは、製造工場や食品工場など主に工場で人による直接操作なしで自動稼働するロボットのことを指します。すべての製造ラインを産業用ロボットで製造し、従業員は遠隔でロボット制御や監視を行うことで製造を自動化することも増えています。

溶接作業やプレス加工、塗装、組み立てを行う組み立てロボットアームや、食品製造・加工、衛生環境が必要な食品詰めなどで活躍する加工ロボットなど多岐にわたる製造工程で産業用ロボットは活躍しているため、多くの製品がカタログに掲載されることが予想されます。

宿泊・飲食・介護などサービス業

飲食業や宿泊業、介護業界などのサービス業では、清掃作業や接客業務を自動化するロボットなどが予想されます。労働負担の軽減とサービス品質の向上が期待されるシステムやロボットなどが補助対象となることが予想されます。

  • 自動清掃ロボット
  • 自動調理ロボット
  • 自動配膳ロボット
  • 受付業務を自動化するロボット / システム
  • 介護ロボット

物流・倉庫業界

物流や倉庫では多くの人が手作業で働いていますが、ロボットの活用も進んでいます。そのなかで特に注目されるのが運搬ロボットや貨物の積み下ろしを自動で行うロボットなどは省力化・省人化補助金のカタログに掲載され、補助対象となることが予想されます。

実際に自動搬送ロボットを導入したことで貨物作業にかかる時間が平均20~30%効率化した事例なども報告されています。

  • 運搬ロボット
  • 自動搬送ロボット
  • 積み下ろしロボット

建設業・農業

建設業においては点検や測量など多くの人が行う作業がありますが、そういった業務を自動で行うロボットも増えています。また、建設資材の運搬を行うロボット、危険が伴う高所作業などで活用される点検・測量ドローンなども省力化・省人化補助金のカタログに掲載されることでしょう。

  • 点検・測量ドローン
  • 運搬ロボット

農業では、農業従事者の高齢化が進み、若手人材も少ないことから深刻な人材不足が課題になっていますが、本来人が行う作業を自動ロボットに代替することで人手を増やすことなく、生産量を拡大することができる可能性があります。実際に自動トラクターの導入により作業時間が半減した事例などが多く報告されています。

また、IoT機器を活用することでビニールハウス栽培の温度や室温の管理を自動化するなど手間を省いたり、効率化を図ることも可能です。

  • 自動走行トラクター
  • 無人運転コンバイン

申請スケジュール・いつから申請可能?

中小企業省力化投資補助金のスケジュールは下記のとおりです。

 省力化補助金のスケジュール
  • 3月25日:メーカー・代理店のカタログ登録(ベンダー登録)開始
  • 3月29日:公募要領の公開
  • 4月上旬:公募開始・申請受付開始予定

出典:中小企業省力化投資補助金、公募要領

令和6年3月25日にメーカー・代理店のカタログ登録の公募が開始しました。そして、3月29日に補助金を活用する申請企業向けの公募要領が発表されました。

今後のスケジュールとしては、申請型がカタログ申請のため、省力化製品のカタログが発表されない限り、補助金の申請受付は開始しないと考えられます。当初の予定では、4月上旬予定となっていますが多少前後する可能性が考えられます。

現時点では、券売機、自動精算機、自動チェックイン機、スチームコンベクションオーブンの4つが省力化カテゴリとして発表されていますが、今後カテゴリ自体も拡大していき、それに伴ってカタログ登録される製品もどんどん増えていくことが予想されます。

中小企業省力化投資補助金のカタログ登録支援

スマート補助金編集部では、「中小企業省力化投資補助金」の最新情報が発表され次第、最新情報を随時アップデートしていきます。また、有り難いことに公募開始前にも関わらず、すでに多くの企業様から「省人化・省力化補助金」に関する申請相談や申請業務に関する提携のご相談などを多く頂いております。

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